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今月のオススメの一冊

リノベーション

『世界の名建築』

人生が変わるリフォームの教科書 片づけなくても片づく住まいにヘンテコな形だったり、曲がっていたり、色合いがとてつもなく派手だったり。近代建築の巨匠たちが手掛けた建築物には、パッと見ただけでは趣旨や工法、建材が分からない不思議な形の建物が多数、存在しています。本書はそんな一風変わった名建築を集めた、美しく、鮮やかな写真集です。表紙を飾るのは、スペイン北部の静かな農村に建つワイナリーホテル「マルケス・デ・リスカル」で、手掛けたのは半世紀以上にわたって建築の常識に挑戦し続けてきたフランク・O・ゲーリー氏。本書にはきれいな写真とともに、「波打つリボン状の屋根はカラーチタニウムでできており、角度によってさまざまな表情を見せる」など、建物についての解説が記されています。誰もが知るところではモシェ・サフディ氏が手掛けたシンガポールの「マリーナ・ベイ・サンズ」も紹介。また、丹下健三氏による「国立代々木競技場」、「東京カテドラル聖マリア大聖堂」、黒川紀章氏の「国立新美術館」、隈研吾氏の「浅草文化観光センター」、安藤忠雄氏の「地中美術館」など、なじみ深い日本の建築にも多くのページが割かれています。第一印象では頭に「?」が飛ぶような奇妙な建物なのに、見るほどに、そして知るほどに、目が離せなくなっていくのが、巨匠たちのびっくり建築の魅力。新鮮な驚きを楽しみながら、1ページ、1ページ、大切にめくりたい一冊です。

『世界の名建築』 『世界の名建築』

『世界の夢の住まい』

グラフィックス×リノベーションでつくるこだわりのオフィスデザイン誰もが一度は考えたことがある「夢の住まい」。本書は、そんな住む人の夢と希望が溢れる構成的な住まいを、世界中から101邸集めた一冊です。表紙を飾ったオーストラリアに立つ「雲の家」のようなポップな邸宅もあれば、ドイツの「背骨の家」のようにまるで飛行機のような遊び心に満ちた家、イギリスの住み心地と低コストを追求した「究極のエコハウス」、ブラジルの熱帯雨林の中でパワーをチャージできる「森の中の家」など、紹介されているすべての建物に、住人と建築家の思いがギュッとつまっていることを実感できます。中でも目に留まったのが、彫刻家であり、建築家のジェームス・ハベル氏によるアメリカの「おとぎの国の彫刻のような家」と、「ハリウッド映画に登場したUFO型住宅」。子供の頃に憧れていた世界観そのままの邸宅を眺めていると、思わずワクワクしてしまいます。世界中の夢の住まいをたどった最後は、日本に立つ夢の住まいを11軒続けて紹介。「急斜面の土地を活用した日当たり抜群の家」や、「お隣も構成要素として取り入れた狭小住宅」、そして建築史家の藤森照信氏が建てた個人宅「ラスコーの洞窟をイメージした家」などを、解説とともに見ることができます。時には、予算や利便性を度外視した夢の住まいを自由に思い描いてみたくなるもの。想像力を思いっ切り広げたい日は、この夢ある一冊をぜひ。

『世界の夢の住まい』『世界の夢の住まい』

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