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今月のオススメの一冊

高層建築

『スカイスクレイパーズ -世界の高層建築の挑戦-』

スカイスクレイパーズ -世界の高層建築の挑戦- その高さを競い合うかのように世界中で建てられている高層建築。その現状と事例を解説し、変貌しつつある世界の諸都市の光景を見ることができる一冊です。世界20カ国36都市において、1000棟を超える高層建築の調査を実施した結果が、高層建築の発展史、都市計画、環境影響、デザインのタイポロジーなどの広い視点からまとめられています。残念ながら、すべての調査結果を掲載することはできなかったとのことですが、世界18カ国のさまざまな高層建築が豊富な写真資料とともに並べられている様子は圧巻。なかでも、世界一の高さを誇るブルジュ・ハリファや三角形のエミレーツ・タワーなどがある中東・ドバイは、1990年以降、300mを超える建築物が最も多く建設された場所で、18棟の高層建築群を中心とするこの都市は、いまだに世界中の人々の注目と関心を集め続けています。また、身近な国では、韓国の高層建築を紹介。波型をはじめ、特徴的な造形をしているガラス張り高層建築が多く、写真を眺めているだけでも先進的な都市づくりを進めていることが伝わってきます。

『スカイスクレイパーズ -世界の高層建築の挑戦-』 スカイスクレイパーズ -世界の高層建築の挑戦-
  • ■発行:鹿島出版会
  • ■編著: 小林克弘 永田明寛 鳥海基樹 木下 央
  • ■参考サイト:鹿島出版会のウェブサイト
  • ■価格:¥3,500+税


『しくみ図解シリーズ 高層建築が一番わかる』

しくみ図解シリーズ 高層建築が一番わかる高層建築物の多面的な側面を解説することをコンセプトに書かれたという本書。第1章で高層建築物の基礎知識を、第2章でどのように高層建築がつくられるのかを学びます。第3章では、「高層建築物を守る」と題して、耐震・制振・免震構造といった地震対策、近年大きな被害をもたらしている台風への対策、そして火災対策について触れています。また、日本の高層建築に大きな影響をもたらした、関東大震災で崩壊した凌雲閣、日本初の高層建築物火災となった白木屋などを紹介しています。最も特徴的な第4章では、圧砕工法、階上解体工法、ブロック解体工法、ジャッキダウン工法、そして昇降式解体設備による解体工法など、高層建築物の解体技術を解説。最終章は、シンボルとしての面も持ち合わせている高層建築物の存在意義について、あべのハルカスや東京スカイツリーなどを取りあげて論じています。基本から解体までを図解入りで詳しく紹介しているので、建築業界を目指している人にぜひ読んでもらいたい一冊です。

『しくみ図解シリーズ 高層建築が一番わかる』しくみ図解シリーズ 高層建築が一番わかる
  • ■発行:技術評論社
  • ■著者:五十嵐太郎、佐藤考一、朝吹香菜子、椚座基道
  • ■参考サイト:技術評論社のウェブサイト
  • ■価格:¥1,880+税


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