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今月のオススメの一冊

英国の家

『図説 イングランドのお屋敷〜カントリー・ハウス〜』

図説 イングランドのお屋敷〜カントリー・ハウス〜 英国で30冊以上が刊行されているトレヴァー・ヨークの歴史的建造物シリーズ。日本版シリーズ第1冊目となる「図説 イングランドのお屋敷〜カントリー・ハウス〜」は、英国貴族が暮らしたカントリー・ハウスにスポットを当てた作品です。魅力は、著者トレヴァー・ヨークによる温かみのあるイラストと優しい解説。イングランドの歴史と建造物の基礎知識について、一からじっくり学ぶことができます。3部構成となっており、第1部「歴史のなかのカントリー・ハウス」ではカントリー・ハウスが発展を始めた中世から、閉鎖されて売られ始める20世紀まで、それぞれの時代で建物の構造や間取り、装飾がどのように変化していったかを解説。第2部「カントリー・ハウスの細部」では建物の中に入り、インテリアの様式の違いを紹介しています。第3部「便利な参考資料ガイド」では、本書で紹介した館をリスト化。訪問のための詳しい情報をまとめています。この本に読み応えを与えているのは、やはりその情報の細やかさでしょう。カントリー・ハウスの建築様式の移り変わり、主人一家の暮らしぶりはもちろん、階下に住む使用人たちの生活にも触れ、キッチンの仕組みや人々の生活の知恵をのぞき見ることができます。さらに部屋だけでなく、庭園や厩舎(きゅうしゃ)、自家農場についても紹介。建築を学びたい人だけでなく、これから英国に出掛けたい人のガイドブックとして、また英国を舞台にした小説を書きたい人の参考資料として、さまざまなシーンで支持されている1冊です。

『図説 イングランドのお屋敷〜カントリー・ハウス〜』 図説 イングランドのお屋敷〜カントリー・ハウス〜

『図説 英国の住宅 住まいに見るイギリス人のライフスタイル』

図説 英国の住宅 住まいに見るイギリス人のライフスタイル英国人は家を「物」ではなく「文化」として捉えています。文化とは個人が所有するものではなく継承していくもの。そのため英国では家は壊さずに、引き継いでいくものとされています。そんな英国の家に心引かれ、英国の一般住宅を訪問する旅を続けている、建築士で旅人の著者・山田佳世子と、英国紅茶文化の普及活動を行っているCha Tea紅茶教室がタッグを組み、英国住宅の魅力を余すところなく伝えるのが、「図説 英国の住宅 住まいに見るイギリス人のライフスタイル」です。「英国人の家」「地域によって異なる街並み」「様式による家の選択」「リノベーション」「英国人の家への想い」と全5章からなり、全ページを通して、英国各地の家の外観の特徴や建築様式、建材の特徴から各種住宅スタイル、リノベーションのルールまで、英国の一般住宅における知識を基礎から紹介しています。本書の特徴はなんといっても写真の美しさ。歴史ある英国の家や調和のとれた街並みを切り取った写真はまるで絵はがきのようで、見ているだけで旅気分が味わえます。家に対する文学的解釈が書かれているページもあれば、「ヴィクトリアンタイルの魅力」「玄関まわり・外観のリノベーション」といった、実践的なアイデアが得られるページもあり、扱うテーマがとにかく幅広い。英国住宅に興味がある人はまず手にとっておきたい決定版です。

『図説 英国の住宅 住まいに見るイギリス人のライフスタイル』図説 英国の住宅 住まいに見るイギリス人のライフスタイル

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