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今月のオススメの一冊

リゾート

『麗し日本旅、再発見!星野リゾート10の物語』

麗し日本旅、再発見!星野リゾート10の物語いまや日本を代表する憧れのリゾートの一つとなった星野リゾート。本書は、世界中のホテルを知り尽くすホテルジャーナリストである著者が、星野リゾートがなぜこれほどまでに多くの人を引きつけるのか、その魅力に迫った一冊です。圧倒的、非日常感に包まれる星野リゾート最上位ブランド「星のや」をはじめ、コロナ禍で注目度が高まる小規模温泉旅館「界」、ファミリー層に人気の「リゾナーレ」、さらには「青森屋」や「奥入瀬渓流ホテル」などの個性的な宿泊施設まで、数ある星野リゾート施設のなかから厳選した20施設を紹介しています。最初に登場するのは、星野リゾート生誕の地である「星のや軽井沢」。豊かな水をたたえる棚田と渓流がある庭や、軽井沢の原風景“谷の集落”を再現したランドスケープなどの美しい写真の数々を見ていると、四季折々の表情ですべての来訪者を温かく受け入れようという星野リゾートのアイデンティティーをひしひしと感じます。客室や景観、料理といった基本情報の他、個性溢れる施設が出来上がるまでの歴史や地元とのつながり、さらには環境活動についても記されている点が本書の大きな特長。旅行ガイドブック的に楽しむのもよし、星野リゾートの物語を味わうのもよし。これまで泊まったことがない人はもちろん、すでに星野リゾートファンの人も、かつて訪れたあの施設にもう一度行きたくなるはずです。

『麗し日本旅、再発見!星野リゾート10の物語』 『麗し日本旅、再発見!星野リゾート10の物語』

『夢のホテルのつくりかた』

夢のホテルのつくりかたなぜ歴史あるホテルは居心地がいいのでしょうか。本書は、明治以降の日本のホテル史を俯瞰しながら、現代に名を残す美しい名ホテル38軒の知られざる物語を伝える書籍です。登場する事業主は大倉喜七郎に山本為三郎、堤義明といった、そうそうたる顔ぶれ。もちろん建築家も、渡辺仁、高橋貞太郎、久米権九郎、村野藤吾、吉阪隆正、黒川紀章、清家清など、日本を代表するマエストロが夢のホテルの設計士として描かれています。8つの章で構成されており、箱根プリンスホテル(現・ザ・プリンス箱根芦ノ湖)を取り上げた1「現代の宮殿を追い求めて」を皮切りに、2「外国人に誇る日本の創成期」、3「先輩の復興ホテル 後輩のリゾートホテル」、4「国際観光“名建築”ホテルの誕生」、5「国際文化交流の新しい波」、6「五輪に向けて世界に誇るホテルをつくれ」、7「美と斬新さを実現させた男たち」、8「唯一無二の依頼人」と続き、各章にふさわしいホテルの名と建築家の生きざまが描かれています。歴史あるラグジュアリーなホテルを紹介しながらも、価格やサービスには触れることなく、あくまで軸は「建物」。熱意ある事業主と、ゼロからかたちを生み出す設計者、そして現場で無理難題と格闘する施工者のバチバチしたやり取りには、思わず胸が熱くなります。名ホテルが“夢のホテル”となるまでの壮大な物語を、たっぷりと味わってみてはいかがでしょうか。

『夢のホテルのつくりかた』『夢のホテルのつくりかた』

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