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試験制度について

建築設備士になるには、国土交通大臣登録試験実施機関である(公財)建築技術教育普及センターの行う建築設備士試験に合格しなければなりません。
試験は第一次試験(学科)、第二次試験(設計製図)の二つの試験からなります。
また、この合格者で、国土交通省告示に定める不適格要件に該当しない方が、建築設備士として位置づけられます。
※建築設備士登録制度は(一社)建築設備技術者協会のHPにてご確認ください。

試験科目
(1)第一次試験(学科)
建築一般知識、建築法規及び建築設備
(2)第二次試験(設計製図)
建築設備基本計画及び建築設備基本設計製図

試験の構成

試験は、「第一次試験」(学科)、「第二次試験」(設計製図)の順に行われます。
「第二次試験」(設計製図)は「第一次試験」(学科)に合格しなければ受けることができません。

 

試験問題

試験の区分 出題形式 出題科目 出題数 出題内容
「第一次試験」
(学科)
四肢択一
(全て必須)
建築一般知識 27 建築計画、環境工学、構造力学、建築一般構造、
建築材料及び建築施工
建築法規 18 建築士法、建築基準法その他の関係法規
建築設備 60 建築設備設計計画及び建築設備施工
「第二次試験」
(設計製図)
記述及び製図 建築設備基本計画
(必須)
11 建築設備に係る基本計画の作成
建築設備
基本設計製図
(選択)
5 空調・換気設備、給排水衛生設備又は電気設備 のうち、受験者の選択する一つの建築設備に 係る設計製図の作成
※解答に当たり適用すべき法令については、試験実施年1月1日現在において施行されているものとします。

第一次試験(学科)について

建築設備士試験の出題科目は、建築一般知識と建築法規、建築設備の3科目からなります。
出題数は合計105問、配点は各1問1点、総得点が105点満点で、 出題形式は四肢択一のマークシート方式です。

 

合格基準点と合格率

学科試験に合格するためには、科目基準点(それぞれの科目の合格ライン)と、合格基準点(全科目の合格ライン)の双方をクリアしなければなりません。

令和元年度の試験までは、合格基準点は原則として60点、また科目基準点は「建築一般知識」(30問)が12点、「建築法規」(20問)が10点、「建築設備」(50問)が25点とされていました。
令和2年度の試験より問題の数や内訳、また出題形式も変更となり、「建築一般知識」(27問)は13点、「建築法規」(18問)は9点、「建築設備」(60問)は30点となり、合格基準点は原則70点になっています。
なお、採点の結果、試験問題の難易度を勘案して補正を行う場合があると発表されており、試験内容変更以降の合格基準点は、令和2年度が67点、令和3年度が70点、令和4年度が72点、令和5年度が70点、令和6年度が72点、令和7年度が67点となりました。
合計で合格基準点以上であった場合でも、1科目でも科目基準点を下回ることがあれば不合格となるため、全科目それぞれをバランスよく学習する必要があり、苦手科目の存在は命取りになります。

また、試験実施機関が許可している「法令集」を試験会場に持ち込むことが認められており、「建築法規」の問題を解答する場合に限り、使用することが可能です。高得点をねらうためには、事前に「法令集」を引きやすくするための見出し(インデックス)や、アンダーラインに工夫を加え、使いこなせるようにしておくことが必要です。
さらに、建築基準法や建築士法、その他の関係法令は毎年改定されているため、古い法令集をそのまま利用することは非常に危険であり、受験年度に合った最新の法令集が必要となります。

出題傾向-建築一般知識

出題項目は、建築計画、防災計画、環境計画、建築構造、建築材料、建築施工となっています。
建築設備との関連が深い環境計画の出題数が多く、令和7年度の出題構成については、熱環境3問、空気環境3問、光環境2問、音環境2問と細分化されており、出題内容も比較的難しくなっています。
建築設備士特有で、特に難しい内容が出題されているのが、防災計画のうち「防煙・排煙」や「避難計画」、音環境のうち「騒音・振動」といった項目です。 これらは、防災に対する意識の高まりや、建築設備の設計において一つの大きな課題となる騒音・振動の防止といった重要性が反映されているものと思われます。 これらの出題などは、建築士の学科試験でも問われない部分が多く、建築士の資格取得者も特別な対策が必要といえます。
一方、その他の出題に関しては、建築士の学科試験でも頻出であり、建築士の資格取得者にとっては有利といえる内容です。

出題傾向-建築法規

出題項目は、建築基準法、関係法令となっています。
建築基準法については、令和7年度の試験において建築設備(換気設備、乗用エレベーター、非常用エレベーター、排煙設備、建築設備融合)が6問、その他から6問と、建築設備の条文からの出題が多く、出題内容も細かい規定が問われます。
また、関係法令の「電気事業法」などは、建築士の学科試験では出題されない法律であり、建築士の資格取得者も特別な対策が必要といえます。
全体的には、出題パターンは一定であり、建築一般知識、建築設備と比べて過去問からの再出題が多く、建築士の学科試験では定番の容積率・建蔽率、高さ制限といった計算問題が、建築設備士では出題されないことが特徴です。

出題傾向-建築設備

出題項目は、空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備、設備工事となっています。
電気設備の出題数が多いため、電気設備を専門としている方には有利と捉えられることがありますが、実際は出題範囲は多岐にわたり内容も難しいため、いずれを専門としている方にとっても得点しにくい項目といえます。
また、令和7年度の試験では、計算問題として、空気調和設備3問、給排水衛生設備3問、電気設備4問の合計10問が出題されています。
計算問題は、設計製図において、さらに実務的な内容として出題されることがあるため、しっかり問題演習をすべき項目です。
さらに、新基準や新技術に関する内容が出題されやすい分野であり、初出題の割合も建築一般知識、建築法規と比べて大きいことが特徴です。

試験の免除

「第一次試験(学科)」に合格している場合、次の年から続く4回のうち任意の2回(同年に行われる「第二次試験」(設計製図)を欠席した場合は3回)について、「第一次試験」(学科)が免除されます。

試験の免除

 

第二次試験(設計製図)について

建築設備士試験「第二次試験」(設計製図)は、あらかじめ発表されている、建築物の計画条件及び建築基本設計図をもとに、「建築設備基本計画」では建築設備に係る基本計画を作成し、「建築設備基本設計製図」では建築設備(空調・換気設備、給排水衛生設備又は電気設備のうち受験者の選択する一つの建築設備)に係る設計製図を作成するものです。

出題構成は、必須問題として建築設備基本計画が11問、選択問題として建築設備基本設計製図が5問となっています。
選択問題については、問1・2は、各選択科目ごとの空調・換気設備、給排水衛生設備、電気設備の3つに分かれていますが、問3~5は共に共通の問題です。
基本計画の出題形式は、記述項目の指定、記述個数の指定、ただし書きでの除外項目の指定、さらに記述の具体性が求められ、従来から大きく変更になりました。

出題される課題名は、建築士の設計製図試験と同様、事前に公表されます。 建物用途は、事務所ビルやその他の商業施設、公共施設、それらの複合施設など様々であり、上位資格である設備設計1級建築士で出題される建物用途が事務所ビルに限られていることと比べても、試験対策は設備設計1級建築士より難しいといえます。

 

 

注意

試験の詳細は、必ず試験実施機関HPでご確認ください。
【試験実施機関:(公財)建築技術教育普及センター】

 

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