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01構造設計1級建築士とは

 平成17年の耐震偽装問題を経て、建築物の安全性及び構造設計に対して、信頼性を求める声が日増しに高まっていき、この声に呼応するように、平成20年には「構造設計1級建築士」という資格が創設されました。
この「構造設計1級建築士」は、文字通り、構造設計のスペシャリストとしての証であり、同時に、今後、構造設計に関わる業務を行っていく上で、必要不可欠となる資格です。 この資格を取得するためには、原則として、1級建築士として5年以上構造設計の業務に従事した後、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う講習の課程を修了する必要があります。
平成20年からの全国の累計修了者数は、11,492人(令和6年1月19日現在)。業務から離れた修了者の方がいることを踏まえれば日本の建築物の安全性・機能性に関わる業務は非常に少ない人数で行われているのが実状です。
国としては、建築物に高い信頼性を求める国民の声に応えるべく、また難関国家資格とされる1級建築士の上位資格として簡単に「構造設計1級建築士」を与えるわけにはいきません。 ゆえにその修了考査は構造設計の実務者であっても非常に難しいものとなっており、修了するためには十分な対策を講じる必要があるのです。
取得が非常に難しい資格ですが、費やした労力以上の価値のある資格です。これから挑戦される方は、合格に向けて全力で取り組んでください。

02構造設計1級建築士による構造設計への関与の義務づけ

構造設計1級建築士の創設に伴い、高度な専門能力を必要とする一定規模以上の建築物の構造設計に関しては、構造設計1級建築士が自ら設計するか、法適合確認を行うことが義務づけられています。 比較的大型の建築物の場合、多くのケースで、構造設計1級建築士の関与(自ら設計する、または、法適合確認を行う)が必要になります。

 

法適合確認等のフロー

(注)丸数字は、標準的な審査の流れを示す。

03構造設計1級建築士による設計への関与が義務づけられる建築物

●1級建築士の業務独占に係る建築物(※1)のうち、構造方法について大臣認定が義務づけられている高さ60m超の建築物(建築基準法第20条第1項第1号) 及びルート2、ルート3、限界耐力計算による構造計算を行うことが義務づけられている高さ60m以下の建築物(建築基準法第20条第1項第2号)(※2)について、 原則として、構造設計1級建築士による設計への関与が義務づけられます。

●図書省略認定を受けた建築物や型式適合認定を受けた建築物は、対象とはなりません。

 

「増改築等の場合の考え方

●増築、改築、大規模な修繕、大規模な模様替(以下「増改築等」という)の後に、建築基準法第20条第1項第1号又は第2号に該当する建築物について、 当該増改築等を行う部分が上記の「※1」となる場合に、構造設計1級建築士による設計への関与が必要となります。